嘘イベント00:05

さて、今回私がお手伝いした学校は、普段はとある理系の大学である。
今回のイベントもそういった大学の設備、環境、技術を多用した物が多く、
普段見ることができない「大学」という研究機関を体験することができるだろう。

今日、私が報告するイベントから、そのすごさを感じ取って欲しい。

「体験教室:荷電粒子砲で衛星軌道の的を消し飛ばそう!!」
これは、兵器開発部・・・もとい光学研究室と電磁波研究室が共同開発したもので、
3メートルの砲塔から打ち出される荷電粒子砲を使って、
大気圏を飛んでいるスペースデプリ(宇宙ゴミ)を撃ち落とし、塵と化すという、
宇宙の掃除も兼ねた、大変エコロジカルな体験教室である。
スコープ内の標準がロックされたら引き金を引くという
大変簡単な構造になっているため、
小学校から大人まで大変人気があるものになった。


「見学:変形合体ロボットを見よう!!」
NHKで毎年開催される
「アイデア対決・ロボットコンテスト」(以下ロボコン)は、
ご覧になった方もいるかと思うが、実はこの大学もロボコンに参加しているのだ。

各大学で、血と汗と涙を振り絞って生み出された変形合体ロボット達。
オーストラリアの広大な大地で繰り広げられる果てしなき闘いには、
老若男女問わず、心を打たれるものがあるだろう。
今年は残念ながら一回戦敗退という残念な結果に終わってしまったが、
今大会に実際に使用された、15メートルを超える巨大合体ロボット「北号」(ほんごう)は、見応えがあると思う。
今回は特別に重火器の使用もできたそうなのだが、さっきまであった校舎が一つ消えていることとは何の関係もないだろう。

「制作教室:重力壁(グラビティ・フォース・フィールド)を作ろう!!」
安全だと思われていたこの国も、最近では物騒になってきた。
いざというときは、自分の身は自分で守らなければならない。
ということで、今回この教室では、
重力制御研究室とエネルギー制御研究室、宇宙工学研究室との共同で、
腕時計型の簡易バリア製作を行っている。
小さな簡易バリアとはいえ、70秒は出力可能の上、
時速100キロで向かってくる10トン車をはじき飛ばすほどの防御力を持っている。
子供を交通事故から守りたい親御さんに人気が集中したらしい。


「神への挑戦!!ハツカネズミから黄色い電気ネズミを作ってみよう!!」

お子様相手にちょいと趣向を凝らして、こんなものを企画したらしい。
生物工学研究室からの出展で、
ニンテンドウ64・・・もといスーパーコンピューターによるDNA操作により、
いとも簡単にあの愛くるしい電気ネズミが作れる!とのことらしい。

案の定、このイベントは小中学生に大人気となったのだが、
2日目の昼、にわか雨が降り出したとたん、黄色い電気ネズミの背中から、
灰色の布をすっぽりかぶった水木しげる風ネズミが大量発生。
会場内はパニックにおちいり、
係員総出でモンスターボールで捕獲するという大騒動となってしまった。
幸い怪我人は出なかったものの、トラウマを背負った小中学生が続出。
イベント始まって以来の大惨事となった。